「この作業、システムにできたら楽なのに」と思いながら、毎月スプレッドシートに手入力を続けていませんか。

システム会社に相談すると、細かい機能まで入れた見積もりは数百万円。結局あきらめて、いまのやり方を続けるしかない。小さな会社では、よくある話だと思います。

本記事では、プログラミングの知識がない僕が、AnthropicのAIエージェント「Claude Code」を使って、外注費0円で社内システムを作った実例と、その始め方・注意点をお話しした内容をまとめます。

※この記事は2026年5月に公開した動画をもとにしています。画面や機能、料金プランは当時のものです。

明るいカフェでノートパソコンに向かって作業する男性

1. Claude Codeで作った「AI経営陣」

まずご紹介したいのが、アクエリアスの「AI経営陣」です。通称「スーパー侍エージェント」。それぞれ得意分野を持ったAIエージェントのチームで、Claude Codeの上で動いています。

1-1. 戦国武将と平安の才女が、経営を手伝ってくれる

メンバーはこんな顔ぶれです。

  • 新規ビジネス担当・織田信長:新規事業の立案、市場参入戦略
  • 財務担当・徳川家康:キャッシュフロー、財務分析、コスト管理
  • 経営企画担当・豊臣秀吉:経営企画、KPIの設計、組織戦略
  • マーケティング担当・坂本龍馬:顧客獲得、ブランディング、SNS
  • 広報PR担当・紫式部:プレスリリース、SNSでの発信
  • セキュリティ担当・伊達政宗

使い方は簡単で、日本語で話しかけるだけです。「信長さん、新しい事業のアイデアについて相談したいんですけど」「家康さん、今月の資金繰りについて相談させてください」と声をかければ、それぞれの専門家として考えて、動き出してくれます。

1-2. 実際に信長に相談してみた

動画の時点で、僕たちは第三者が社員の方にインタビューして生の声を引き出す、採用動画のプロジェクト「THIRD VOICE」を立ち上げています。この企画書をアップロードして、信長さんに「失敗しないためのコツを3つ教えてください」と聞いてみました。

返ってきた答えは、口調まで信長でした。「コンセプトは悪くない。だが、失敗するのはいつも実行だ」と前置きしたうえで、コツは次の3つだと言います。

  1. 型を死守せよ。カスタマイズに応じるな:強みは再現性のある型。「うちは特別だから」と言われた瞬間が最大の危機
  2. 最初の10社を、事例ではなく証拠にせよ:採用する企業は、他社の結果を見て動く
  3. サービスより先に、MC(インタビュアー)をブランドにせよ:型は真似できても、人は盗めない

なるほど、と思いました。こんなふうに、相談相手ごとの「らしさ」でアドバイスをくれるのも面白いところです。

2. 実務で動いている社内システム4つ

ノートパソコンで表計算ソフトを操作しながら、タブレットでグラフを確認する女性

AI経営陣だけではありません。Claude Codeでは、日々の業務で使う実務的なシステムも作れます。僕たちが作ったものを4つご紹介します。

2-1. モデル・キャストの勤怠管理と支払明細の自動送付

これまでは、メールで届いた業務報告を、手でスプレッドシートに入力していました。月末になるとExcelに書き出し、マクロでPDFにして、一人ひとりに手作業でメールを送っていたんです。

これがすべて自動化できました。業務報告用のアプリに時間・場所・名前を入れると、スプレッドシートに自動で反映されます。月末には自動で集計され、PDFの明細も自動で作られ、翌月の決めた日に、該当する人へメールで届きます。これだけで、ざっと6〜8時間ぶんの作業が減った感覚です。

2-2. YouTube動画サブスク事業のポイント管理

僕たちはクライアントのYouTube動画の制作もしています。撮影なら何ポイント、編集なら何ポイントという、ポイントを消費していくサブスク型の運用で、これを手でチェックするのが意外と大変でした。

Claude Codeに相談しながら、管理システムを作りました。動画の時点ではまだ実験段階ですが、かなりの工数が減ると見込んでいます。

2-3. Gmailの未対応メール監視

もともとは、とても忙しい妻のために作ったものです。メールは意外と埋もれますよね。返信していないメールにフラグを立てて、リマインドしてくれる仕組みにしました。これで抜け漏れがなくなります。これは比較的かんたんに作れました。

2-4. 売上管理表とマネーフォワードの連携(制作中)

スプレッドシートで独自の売上管理表を持っている会社は多いと思います。僕たちもそうですが、オリジナルで作った表だからこそ、手入れが大変です。

そこで、マネーフォワードのデータと連携させるシステムを作っています。請求書を出す前でも、今月や来月の見込みが見えるようになります。月に2回、自動で最新の数字を取りに行く仕組みで、正確さとリアルタイム性を両立させるのがねらいです。

ここまでの4つは、すべて僕とClaude Codeだけで作りました。外注費は1円も払っていません。

3. 外注しなくても、自分たちで作れる時代が来た

これまでは、プログラミングが難しすぎました。時間ができたらやってみようと思っても、知識もスキルも足りない。だからシステム会社に外注するしかありませんでした。

ところが、外注すると細かい機能まで欲しくなって、見積もりは数百万円。泣く泣くあきらめて、スプレッドシートやExcelに手入力を続ける。そういうものだったんです。

3-1. 現場が自分で作り、すぐ直せる

Claude Codeが出てきたことで、外注に頼るしかなかったシステムづくりを、現場が主導して自分たちで作れるようになりました。気になるところがあれば、その場ですぐ直せます。

3-2. 社内の事情を一番知っている人が作れる

外注するとき、社内の事情を外部の業者に説明するのは本当に骨が折れますよね。でも、社内のことを一番知っているのは、経営者や管理者、現場の担当者の皆さんです。その人たちが自分で作れるということは、説明のためのコミュニケーションコストがなくなるということです。

「こうしたい」という思いとビジョンがあれば、誰でも自社独自のシステムを作れる。そういう時代が始まりました。

4. Claude Codeとは何か

これまでのAIを、会議室でアドバイスをくれるコンサルタントだとします。Claude Codeは、アドバイスをしたあと、すぐに現場に行ってヘルメットをかぶり、手を動かしてくれる実務家です。

4-1. パソコンの中で、実際に作業してくれるAIエージェント

これまでのチャットAIとの一番の違いは、パソコンの中で動くことです。パソコンの中のファイルやフォルダを把握したうえで、こちらの代わりに直接作業してくれます。自分でファイルを作り、コードを書き換え、テストを実行し、エラーが出たら自分で直す。ここまでやってくれます。こうした「人と同じように作業できるAI」をAIエージェントと呼びます。

名前に「コード」とある通り、もともとはプログラミングをするエンジニア向けに作られたものです。ただ、性能が高く、プログラミング以外にも使えるということで、世界中で評判になっています。

また、Claude Codeにはサブエージェントという機能があります。複雑な開発になると、リーダー役のエージェントが部下にあたるサブエージェントを呼び出し、チームで作業を進めてくれます。僕たちは指揮官として「それでOK、進めてください」と承認するだけです。

4-2. 作っているのはAnthropicという会社

Claudeを作っているAnthropicは、ChatGPTを開発したOpenAIの元メンバーたちが、「もっと安全性や倫理性を重視したAIを作ろう」と独立して立ち上げた会社です。創業者のダリオ・アモデイさんとダニエラ・アモデイさんは兄妹で、2021年に会社を立ち上げました。AmazonやGoogleからも大きな出資を受けています。

4-3. 「黒い画面」を見なくても使える

プログラミングと聞くと、ターミナルと呼ばれる黒い画面を思い浮かべる方も多いと思います。でも、見なくて大丈夫です。

僕が始めたころは、VS CodeやCursorといったエディターにClaudeを組み込んで使うのが主流でした。それが動画の時点(2026年5月)では、Anthropic公式のClaudeのデスクトップアプリからClaude Codeを使えるようになっています。ChatGPTやGemini、Claudeのチャットと同じ感覚で触れるようになり、使い始めるハードルが一気に下がりました。僕たちのような非エンジニアが触るなら、いまがちょうどいいタイミングです。

僕が作った社内システムの多くは、GAS(Google Apps Script)という、Googleのサービスを自動化したり連携させたりできる仕組みで動いています。聞いただけで難しそうですよね。でも、Claude Codeに相談していけば、とても丁寧に教えてくれます。

5. 実演:入金状況のダッシュボードを作ってみた

Claude Codeで作った入金管理ダッシュボード。請求合計・入金済み・未入金の金額と入金率64.1%、月別の棒グラフが表示されている

実際にClaude Codeで、マネーフォワード クラウド請求書のデータから、入金状況を一覧できるダッシュボードを作ってみました。使ったのは、実際の会社名を使わずに作ったダミーのCSVファイルです。

5-1. 家康さんへの指示はこれだけ

CSVファイルをアップロードして、財務担当の家康さんに、次のように頼みました。

  • MFクラウド請求書から書き出したCSVを読み込み、請求と入金の状況を見えるようにするダッシュボードをHTMLファイルで作ってほしい
  • 表示してほしいのは「月ごとの請求合計と入金済み金額を比べた棒グラフ」「全体の入金率(%)」「未入金の請求書の一覧表」の3つ
  • CSVには請求書の行と品目の行が混ざっているので、請求書の行だけを対象にする
  • 入金ステータスが「入金済み」のものを入金済みとして集計する
  • デザインはシンプルで見やすく、ファイル名は「dashboard.html」

5-2. できあがったダッシュボード

できあがったファイルを開くと、請求合計・入金済み・未入金・入金率の4つの数字が並び、入金率は64.1%。月ごとの棒グラフと、未入金の請求書の一覧も作られていました。期限を過ぎているものは赤く表示され、何日過ぎているかまで書かれています。これを見れば、どの会社にすぐ連絡すべきかが一目で分かります。

裏ではかなりのプログラムが書かれていますが、僕がやったのは日本語で指示を出しただけです。

5-3. 見た目はClaude Designで整える

正直、最初のデザインは少しダサかったので、前回の動画で紹介したClaude Designで見た目を整えました。Claude Designに「Claude Codeに戻すための引き継ぎ資料と、Claude Codeに出す指示文も作って」と頼むと、そこまで作ってくれます。それをClaude Codeに貼り付ければ、あとは反映してくれます。

Claude Codeで中身を作り、Claude Designでデザインを整える。この流れはとてもおすすめです。

6. 始め方と、導入前に知っておきたいこと

ノートパソコンを開いたテーブルで、ノートに計画を書き込むビジネスマン

6-1. 始め方はかんたん

Anthropicの公式サイトから、Claudeのデスクトップアプリをダウンロードします。有料プランにする必要はありますが、それだけでClaude Codeが使えるようになります(動画の時点)。ターミナルの設定は一切いりません。ちなみに僕は、慣れているのでVS Codeの拡張機能から使っています。ここはお好みで大丈夫です。

最初は、Googleスプレッドシートを使ったかんたんなGASを作ってみるのがおすすめです。何を作ればいいか分からなければ、それもClaude Codeに相談してみてください。丁寧に答えてくれるうえに、「分かった、じゃあ作ってみて」と言えば、作るところまでやってくれます。

6-2. 注意点は使用量の上限

Claude Codeは、入力した文字やファイルの量に応じて使用量を消費していく仕組みです。どんどん使っていると、上限に達して使えなくなることがあります。まずはProプランから始めて、足りないと感じたらMaxプランに切り替えるのがおすすめです。僕もそうしました。

6-3. 月額数万円は高い?

月額数万円のサブスクは、たしかに高く感じます。でも、システム会社に外注すれば数十万〜数百万円、人を一人雇えば年間で数百万円かかります。それに比べれば、月に数万円は決して高くありません。

これから先も何十年と働いていくなら、AIは避けて通れません。コストを気にして使い控えるほうが、かえって大きな機会損失になるかもしれません。僕は自己投資であり社員教育だと考えて、サブスクを使い倒しています。時間とノウハウで、必ず回収できると思っています。

7. まとめ

今回お伝えしたかったことは、次の3つです。

  1. 外注しなくても、自分たちでシステムを作れる時代が来た
  2. Claude Codeは、非エンジニアにとっての最終兵器
  3. これは本当に革命である

経営者の方、管理職の方、現場の担当者の方。時間と情熱さえあれば、自分たちの理想のシステムを自分たちで作れるようになりました。頭の中にある「こうなったらいいのに」という業務改善のアイデアを、ぜひClaude Codeで形にしてみてください。

この動画は、ミニマム経営チャンネルの「Claude 3部作」の完結編です。第1部のClaude・Claude Coworkはまるで優秀な副社長を一人雇ったような便利さ、第2部のClaude Designはおしゃれなデザインがすぐにできあがります。この3つがそろえば、小さな会社の経営はもっと強くなります。あわせてご覧ください。