「ChatGPTの音声機能って、結局ロボットっぽいんでしょう?」「文字で打つほうが早いし、わざわざ話しかける意味はある?」。そんなふうに思っていませんか。

本記事では、モデル事務所と動画制作の会社を経営している僕が、ChatGPTの音声機能「ChatGPT Voice」の何が変わったのか、実際に話してみてどれくらい自然だったのか、そして旅行やビジネスでどう使えるのかを、実演の内容をもとにお伝えします。

※この記事は2025年9月に公開した動画をもとにしています。機能や対応環境は動画の時点のもので、その後も名称や仕様の変更が続いています。最新の情報はOpenAIの公式ヘルプで確認してください。

カフェの窓際で、スマートフォンに向かって話しかける女性

1. ChatGPT Voiceは何が変わったのか

ChatGPT Voiceの進化機能「お好みの会話スタイルに」の図解。好みの声を選ぶ楽しさもあると説明する場面

最近ChatGPTの音声機能を使ってみて、前よりずっと自然な話し方になっていると驚いた方もいるかもしれません。OpenAIは2025年6月に有料ユーザー向けの音声モードを大きく改善し、7月には無料ユーザーにも同じアップデートを広げました。

以前はやや機械的な話し方でしたが、今は人間のような間合いや感情表現で、自然に会話ができるようになっています。正直、スマホの向こう側に人がいるとしか思えないくらいです。

1-1. 抑揚・間合い・感情表現が加わり、人間らしい話し方に

1つ目の変化は、話し方が今まで以上に人間らしくなったことです。音声に抑揚やリアルな間合い、感情表現が加わりました。

今までは「やっぱりAIだな」と感じる場面がありましたが、今は違います。適切な間、声の強弱、共感、ちょっとした皮肉まで入ってきます。AIが考え込むような間を取ると、「あれ、本当に人がいるよね?」と思うレベルです。

1-2. 話すスピードや声のトーンを頼めば変えてくれる

2つ目は、会話のスタイルを調整できることです。たとえば「もうちょっとゆっくり話して」と頼めばスピードを落としてくれますし、「もうちょっと明るく話して」と言えば声のトーンを一段上げてくれます。

場面や好みに合わせて、話し方を変えてもらえるようになりました。声は9種類から選べるので、自分の好みに合った声を探す楽しさもあります。

1-3. スマホだけでなく、ウェブやパソコンでも使える

3つ目は、スマホのアプリだけでなく、ウェブ版(ChatGPT.com)やパソコンでも音声で会話できることです。これは意外に大きいと思っています。

パソコンで仕事をしながら、手を止めずにChatGPTと会話したいというニーズに応えてくれるので、かなり便利です。

1-4. 翻訳機能が強化された

4つ目は、翻訳機能が強化されたことです。もともと十分な機能でしたが、それがさらに良くなりました。

たとえば海外旅行中に体調を崩して、病院に行かなければならなくなったとします。言葉の壁があると不安ですよね。そんなときも、ChatGPT Voiceに自分の症状を伝えて翻訳してもらえば、現地の医師に今の状態をかなり的確に説明できます。言葉の壁で海外旅行をためらっていた方も、気負わずに出かけられるのではないでしょうか。

2. 実演①:シンガポールの「罰金ルール」を聞いてみた

晴れた日のシンガポールのベイフロントに並ぶ高層ビル群

では実際に、ChatGPT Voiceがどれくらい自然なのかを試してみました。動画を撮った月に、僕はシンガポールへの出張を控えていました。シンガポールはルールが多い国で、日本人にとっての常識が罰金の対象になることがあると聞いていたので、そのあたりを聞いてみました。

2-1. まるで友達と話しているような受け答え

「今月シンガポールに行くんだけど、日本の常識が通じずに罰金になることがあると聞いた」と話しかけると、ChatGPTは「確かにシンガポールは細かいルールがいろいろありますもんね」と受けて、ガムやポイ捨て、道路の無断横断などの例を挙げてくれました。

罰金の金額を聞くと、「ポイ捨ては数百シンガポールドル、日本円で数万円レベルになることもある」とのこと。僕が「ガムを噛んでいただけで数万円の罰金、超やばいね」と言うと、「ちょっとしたユーモアで罰金貯金でも始めようかな、くらいの気持ちで前向きに行けば大丈夫」と返してきました。

思わず「めちゃくちゃ前向きじゃん」と笑ってしまいました。最後は「楽しみながら気をつけて、シンガポールを満喫してきてくださいね」「いってらっしゃい」と送り出してくれます。本当に友達と話しているような感覚です。

2-2. 旅行前のルール確認は、公式の情報でも確かめる

会話の自然さには驚きましたが、細かい事実は公式の情報でも確かめておくのがおすすめです。シンガポール国家環境庁(NEA)によると、ポイ捨ては初回の違反で300シンガポールドルの罰金とされています。会話の中の「数百シンガポールドル」とおおむね合っています。

一方でガムについては、シンガポールで禁止されているのは主に輸入と販売で、噛むこと自体が違法とされているわけではありません。AIの答えは、話の流れの中で少し大ざっぱになることがあります。旅行や仕事の段取りに使うときは、大事なところだけ公式サイトで確認しておくと安心です。

3. 実演②:海外で体調を崩したときの英語を作ってもらう

続いて翻訳機能です。シンガポールに旅行や撮影で行って、体調が悪くなってしまったという場面を想定してみました。

3-1. 医師に伝えたい症状を英語にしてもらう

ChatGPT Voiceに「昨日から熱が出てしまって、お腹がちょっと痛いです。何か悪いウイルスにかかっていないか調べてもらえますか。これを英語にしてください」と頼みました。

すると「了解です」と内容を確認したうえで、英語での言い方を教えてくれました。話しかけるだけで、医師に伝える文がすぐに用意できます。

3-2. つたない日本語でも、意図をくみ取って言い直してくれる

次に、海外の病院では保険がないと費用がかなりかかるのではと不安になる場面を想定して、「これっていくらですか。クレジットカードの保険とか、海外の保険とかも使えるんですか」と聞いてみました。

ChatGPTは「これっていくらぐらいかかりますか?それからクレジットカード付帯の保険や海外旅行保険を使えますか?って感じですね」と言い直したうえで、次の英語を返してくれました。

「How much will this cost? And can I use my credit card insurance or any travel insurance for this?」

僕のつたない聞き方を、「クレジットカード付帯の保険」ときちんと言い直してくれているのには驚きました。ChatGPT Voiceがあれば、海外での不安はかなり減ると思います。

4. 実演③:100人規模の社内イベントのアイデア出し

オフィスで笑顔で話し合うチームのメンバー

最後はビジネスでの使い方です。「年内に100人くらいで社内イベントをやりたい。社員や関係者が盛り上がるコンテンツを、国内外の事例を交えてアイデア出ししてほしい」と相談してみました。

4-1. 国内外の事例を交えて、アイデアがどんどん出てくる

ChatGPTからは、チーム対抗で軽いアイデアを出し合って発表するピッチコンテストや、短時間でアイデアを競う社内ハッカソンのような形式、ちょっとした才能を披露するミニパフォーマンス大会などの案が出てきました。「肩肘張らずに楽しめる場を作ると、自然と盛り上がる」というまとめ付きです。

4-2. 「参加したくなる空気」の作り方まで答えてくれる

さらに「社内版のM-1グランプリのようなものも面白いと思うけど、どうしたら社員が前向きに参加してくれるか」と聞いてみました。

答えは、まず楽しそうな雰囲気を先に見せること。たとえばユーモアのある告知動画を作ったり、過去の社内イベントのハイライトを共有したりして、「こんな感じで気軽にやろうよ」という空気を作ると参加のハードルが下がる、とのことでした。優勝者や面白かった発表に、ちょっとした賞品を用意するのも効果的だそうです。

4-3. 話を聞いてもらうだけでも価値がある

アイデアがどんどん出てくるのもすごいのですが、それ以上に驚いたのは、話すときの間や抑揚、感情が本当に人間と話しているようだったことです。最後の「はい、ぜひぜひ考えてみてください」という返しなどは、まるで人と話している錯覚に陥ります。

アイデア出しや、ちょっと話を聞いてもらいたいときには本当にいいと思っています。ある種のカウンセリングのような役割もあるのかもしれません。

5. ChatGPT Voiceはこんな人・こんな場面に向いている

実際に使ってみて、ChatGPT Voiceは次のような場面に向いていると感じました。

5-1. 文字を打たずにやりとりしたいとき

文章を打ち込まなくても、これだけコミュニケーションが取れるのはやはり楽です。移動中や手がふさがっているとき、考えを話しながら整理したいときに向いています。

5-2. 海外旅行・海外出張の「言葉の壁」を下げたいとき

症状の説明や費用・保険の確認など、とっさに英語が出てこない場面でも、話しかけるだけで伝え方を用意してくれます。ただし、ルールや金額などの事実は、大事なところだけ公式の情報で確かめるようにしましょう。

5-3. 壁打ち相手がほしいとき

社内イベントの企画のように、ひとりで考えていると煮詰まるテーマでも、話しながら次々とアイデアをもらえます。小さな会社の経営者や個人事業主にとって、気軽に相談できる壁打ち相手として使えます。

6. まとめ

  • ChatGPT Voiceは、2025年6月のアップデート(7月に無料ユーザーにも展開)で、抑揚・間合い・感情表現が加わり、人間らしい話し方になった
  • 話すスピードや声のトーンは頼めば変えてくれる。声は9種類から選べる(動画の時点)
  • スマホだけでなく、ウェブ版やパソコンでも音声で会話できる
  • 翻訳機能が強化され、海外で医師に症状を伝える英語もすぐに用意できる
  • 社内イベントのアイデア出しのような、ビジネスの壁打ちにも使える
  • 細かい事実(罰金の金額やルールなど)は、公式の情報でも確かめる

これからの時代、AIとの音声会話は、ビジネスでも日常生活でも欠かせない存在になっていくと僕は思っています。まだ試していない方は、ぜひ一度ChatGPT Voiceと話してみて、その自然な会話に驚いてみてください。