撮影ゼロで自社のWebCMを作ってみた|テナクAIとStudio Junoで企画からBGMまで仕上げた全工程
お客様の動画は作っているのに、自社のPRは後回し。広報の担当がいなくて、発信は結局ぜんぶ社長の仕事になっている。少人数で会社を回していると、こうした状態になりがちです。
本記事では、オールインワンのAIワークスペース「テナクAI」と「Studio Juno」を使って、僕たちアクエリアスの15秒のWebCMを企画から完成まで作った流れをお話しします。撮影は1日もしていません。リサーチ、字コンテ、画像、映像、BGMまで、どこをAIに任せて、どこを人が決めたのかを順番に紹介します。
※この記事は2026年8月に公開した動画をもとにしています。動画はテナクAI様からのご依頼で制作したタイアップ(PR)です。料金やAIモデルは動画の時点のものです。

1. 動画制作会社なのに、自社のCMだけがなかった
僕はモデル事務所と動画制作の事業を、株式会社アクエリアスで14年経営しています。採用動画やブランディング動画など、お客様の動画はこれまで何本も作らせていただきました。それなのに、自分たちのCMだけはありませんでした。
1-1. 自社の制作物には締め切りがない
いつか作ろうとは思っていました。でも、お客様の仕事には締め切りがあります。自社の制作物には締め切りがありません。だから、どうしてもクライアントワークが優先になり、自社のものは後回しになります。
1-2. 少人数の会社ほど、発信が止まりやすい
これは僕らだけの話ではないと思っています。広報担当がいない会社、気づいたら自社の発信を誰もやっていない会社、PRも含めて全部が社長の仕事になっている会社。こうした会社は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、AIでどこまで映像制作ができるのかを、実際に自社のWebCMを1本作って確かめてみました。
2. テナクAIとStudio Junoでできること
テナクAIは、一言でいうと、調べる・書く・画像を作る・映像を作るが1つの画面で完結するAIです。中身は大きく2つに分かれています。
2-1. 調べて書く「テナクAI」、画像・映像・音を作る「Studio Juno」
テナクAIは、調べたり書いたりする担当です。リサーチした結果をそのまま文書にしたり、文書からマインドマップを作ったりできます。
Studio Junoは、画像や動画、音を作る担当です。テナクAIでまとめた内容をもとに画像を作り、それを映像にできます。もちろん単体で使うこともできます。この2つがワンストップでつながっているところが、すごいと思ったポイントです。
2-2. 最新のAIモデルを選んで使える
どちらも、使うAIモデルを選べます。動画の時点では、文章系はOpenAIのGPT、AnthropicのClaude(Opus 5)、GoogleのGemini(3.1 Pro)などが選べました。
動画生成も、FLUX 3、MiniMax H3、Seedance 2など、新しいモデルがそろっています。MiniMax H3は、動画を撮った2026年8月の時点でリリースされたばかりのモデルでした。
3. 企画のフェーズ:リサーチから字コンテまで
ここからは、実際の作り方です。最初は企画のフェーズです。
3-1. ディープリサーチで「発注前の悩み」を調べる
テナクAIのチャットには「ディープリサーチ」という機能があります。調べたいことを渡すと、AIが深く調査してくれます。今回はモデルにClaudeのOpus 5を選び、推論のレベルを高くして、次のように口頭で指示を出しました。
- 日本国内のBtoB企業で、動画制作の発注を検討している担当者が何に悩んでいるのかを調べてほしい
- 対象は、経営者、広報・マーケティングの担当者、人事・採用の担当者
- 発注後の不満ではなく、発注前の課題を知りたい。作りたいのに進まない理由は何か
- 担当者が実際に口にしそうな言葉をそのまま拾ってほしい。出典と、その確からしさも教えてほしい
- 用途は15秒のWebCMのコピーのヒント
ここまで詳しく言わなくても、「動画制作の発注を検討している担当者はどんな悩みを抱えているのか調査してください」の一文でも十分に調べてくれると思います。
結果は「担当者の悩みは制作技術ではなく、意思決定の根拠作りに集約される」というものでした。動画制作は相場の幅が広いので、いくら予算を取ればいいのかが決めにくい。社内を説得する理屈が作りにくい。そうした課題が、出典つきで整理されていました。
3-2. マインドマップで情報を見える形にする

ディープリサーチの結果はとても良いのですが、分厚くて読み切れません。最初の方に読んだ内容を、最後には忘れていることもよくあります。
そこで、調査結果を貼り付けて「マインドマップにしてください」と指示しました。全体像、主な悩み、推奨アクションなどが10項目ほどの枝に分かれ、見たいところだけを開いて見られます。予算の決め方や社内の説得の課題など、知りたい部分だけを追えるのがマインドマップの良さです。
3-3. 何を伝えるかを決めるのは人の仕事
ここから字コンテを作ります。字コンテとは、絵のないコンテのことです。カット番号、秒数、何を映すか、テロップなどを一覧の表にしたものです。これに絵がつくと絵コンテになります。
ただ、調べた情報を全部詰め込むと、何が言いたいCMなのか分からなくなります。情報を取捨選択して「この内容で作る」と決める。ここは人間に残された仕事だと思います。
僕が選んだのは、「費用対効果が分からない」「KPIをどう置けばいいか分からない」という悩みでした。動画、Webサイト、広告運用が別々の会社に分かれていると、各社の数字が共有されず、KPIを正確に測れません。僕たちなら、動画からWebへの遷移や広告からの流入を一気通貫で追えます。窓口が1つになるので、担当者さんのやり取りの手間も減ります。
なので、CMで伝えることは1つに絞りました。「動画制作、どこに頼めばいいか分からない。だったら全部一社で」。これだけです。
3-4. 字コンテはAIテキストエディターで作る
テナクAIの「AIテキストエディター」で、字コンテを作りました。指示に入れた条件は次のとおりです。
- 15秒のWebCM、16:9の横長
- 合計ちょうど15秒、1カット2秒程度で8カット程度
- テロップは4つに絞る。ナレーションはなし
- 最後に会社のロゴを入れる
- 機能や実績を並べることはしない
1回目にできた字コンテは、内容としては良いのですが、少し真面目すぎる印象でした。そこで「世界中の誰もが同じことで悩んでいる」という見せ方に変えるよう、追加で指示しました。南の島、北極、家のキッチン、火事の現場の消防士まで、みんながスマホやパソコンを見ながら「動画制作どこに頼めばいいの」と悩んでいる。テロップも「動画を作るのって」「どこに頼めばいいの」「みんな悩んでる」「全部一社で」の4つに決めました。
作り直した字コンテには、「南の島の小屋でメモを見て首をかしげる人物」「吹雪の北極の基地でモニターの前で悩む人物」といったシーンが並びました。ここまでが、テナクAIと一緒に作った部分です。
4. 制作のフェーズ:画像と映像を作る
次はStudio Junoに移って、画像と映像を作ります。いきなり動画生成で映像にすることもできますが、今回は素材を1つずつ正確に作るため、まず画像から作りました。
4-1. 英語のプロンプトはAIに書いてもらう
画像生成のモデルは、GPTの画像生成(Image 2)を選びました。プロンプトは英語が推奨されています。
自分でプロンプトを考えてもいいのですが、僕が普段やっているのは、プロンプト自体をAIに作ってもらう方法です。今回もテナクAIに「南の島の小屋で、スマホを見て悩んでいる人物。この画像を生成するための最適なプロンプトを英語で作成してください」と頼みました。できたプロンプトをStudio Junoに貼り付け、枚数1枚、16:9、高品質、解像度2Kで生成します。
1回目は、手の大きさに対してスマホがかなり小さく写っていました。サイズをそろえるようにして作り直すと、ちゃんと使える画像になりました。会議室で困り顔の3人組、キッチンでスマホを見る女性、北極の観測地点の女性も、同じようにプロンプトをAIに考えてもらいながら作っていきました。
4-2. 1枚目の画像を入れると、トーンがそろう
コツがあります。2枚目以降を作るときに、画像のアップロード欄に1枚目の画像を入れてからプロンプトを入れることです。こうすると、トーン&マナーがそろいます。消防士のカットも、この方法で作りました。何枚作っても同じような雰囲気で仕上がるので、おすすめです。
4-3. 動画生成はモデルを選び放題

画像ができたら、動かします。Studio Junoで僕が一番いいと思ったのがここです。FLUX 3、MiniMax H3、Seedance 2など、新しい動画生成モデルがたくさん入っていて、選び放題です。
普通は1つのサービスに1つのモデルです。動画生成のモデルは今まさに進化の途中で、すごい速さで新しいものが出てきます。個別に契約して追いかけるのは、正直無理です。サブスクで破産します。
今回はMiniMax H3を使いました。動画用のプロンプトもテナクAIに作ってもらい、南の島の男性の画像と一緒に入れて生成します。消費したのは54.2クレジットでした。できた映像には音までついていて、男性がため息をつきながらスマホを見ていました。
同じ画像とプロンプトでFLUX 3も試しました。こちらは鳥の声が入り、最後にカメラ目線で物憂げな顔を見せる仕上がりでした。どちらが良いかは好みですが、僕はMiniMax H3のため息が気に入りました。ほかのカットにはKlingも使っています。あとは、画像を作っては動かす作業を繰り返して、素材を量産していきます。
5. BGMと仕上げの編集
素材がそろったら、音をつけて、最後に編集します。
5-1. BGMものんきなスイングジャズをAIで作る
Studio Junoには、音楽や効果音を作る機能もあります。今回のBGMはヴィンテージのスイングジャズにしました。世界中で人が困っている映像に、あえてのんきなジャズを当てています。
ここもプロンプトはテナクAIに作ってもらいました。「のんきなスイングジャズを作りたい。GoogleのLyria 3を使う想定で、最適なプロンプトを作ってください」と頼み、できたものを貼り付けるだけです。これまでにも何曲か作っていますが、朝の散歩中に、ここで作った曲を鼻歌で歌っていたくらいなじんでいます。
5-2. 日本語のテロップは編集ソフトで入れる
Studio Junoで映像を作るときに日本語のテロップも入れてみましたが、日本語はまだ難しいと感じました。漢字が得体の知れない形になることがあります。なので、テロップは編集ソフトで入れました。編集でやることは3つだけです。
- 字コンテで決めた秒数どおりに、8カットを並べる
- 日本語のテロップを入れる
- メンバーの写真、ロゴ、受賞バッジなどの画像ファイルを入れる
5-3. 一番大事なカットだけは本物の写真にした

実は最後の1カット、アクエリアスのメンバーのコラージュ写真だけはAIの素材ではありません。実際に僕らが撮影している現場の写真です。「全部一社で」という一番大事なテロップを見せるときは、本物の写真か映像で見せたかったからです。
ちなみに、実在の人物の写真から動画を生成しようとしたところ、エラーになりました。不正利用を防ぐという意味では、安心できる仕組みだと思います。AIで作るところと、自分たちの本物の写真や映像を入れるところを分けると、リアリティがぐっと増します。
6. 料金プランと、使ってみた結論
6-1. 料金プラン
動画の時点(2026年8月)の料金は、次のとおりです。円の金額は動画の時点の目安です。
- フリープラン:無料。ただし、Studio Junoでの動画生成やサウンド生成は難しいです
- ベーシックプラン:月18ドル(約2,900円)
- スタンダードプラン:月36ドル(約5,700円)
- プレミアムプラン:月72ドル(約1万1,000円強)
Studio Junoをしっかり使うなら、有料プランがおすすめです。2026年10月時点の公式の料金ページでも、有料プランのドル建ての月額は同じでした。最新の内容は公式サイトで確認してください。
動画の概要欄には、視聴者限定のクーポンコード「KN2026」を載せています。全プランが初月20%オフになり、有効期限は2026年11月30日です。
6-2. 素材の8割はAIで作れた
完成したCMは、10割をAIで作れたわけではありません。それでも、素材を作る部分だけで言えば、8割くらいはAIで作れたという感覚です。最後の編集も、かなり工数を減らせると感じました。
使ってみた結論として、テナクAIは、AIになんとなく質問するツールではなく、1つの成果物を最後まで作りきるためのワークスペースだと思いました。テナクAIで調べて、整理して、書く。Studio Junoで絵にして、動かして、音をつける。この流れが1つのAIの中で途切れずにつながっていることが、一番の価値だと思います。
7. まとめ
今回の内容をまとめます。
- 自社の発信が止まるのは、自社の制作物に締め切りがないから。少人数の会社ほど後回しになりやすい
- テナクAIで、ディープリサーチ、マインドマップ、字コンテまで作れる
- 情報を取捨選択して「何を伝えるか」を決めるのは人の仕事。今回は「全部一社で」の1つに絞った
- Studio Junoで、画像、映像、BGMまで作れる。英語のプロンプトはAIに書いてもらい、1枚目の画像を入れてトーンをそろえる
- 日本語のテロップは編集ソフトで入れる。一番大事なカットは本物の写真や映像にする
広報の担当が社内にいない方や、自社の発信が後回しになっている方には、かなり相性がいいと思います。何でもそうですが、まずは小さく始めれば大丈夫です。自社用の動画を1本作ってみるだけでも、「これなら実務で使える」「発信していけるかもしれない」という感覚がつかめるはずです。

