時間とお金の物々交換

社会人になりたての頃、仕事中に時計を見ることが多かった。
時計を見ると、いつも「まだこんな時間…」と思っていた。
時間とお金を物々交換しているように感じていた。

忙殺の創業期

起業すると、仕事観に大きな変化があった。
すべてが自分ごとだから、すべての仕事に責任が生まれた。
お金とも真正面から向き合うことになった。
会社を回すために、やりたい仕事も、そうでもない仕事も全部やった。
家に帰らずに会社に泊まることも多くなっていった。夜中にパソコンを叩きながら、時計を見ては「ヤバい..もうこんな時間..」といつも焦っていた。

バランスを掴み始めた現在

起業して5年ほど経過した頃、立て続けに大きく失敗した。真っ暗な闇が近づいて来るような恐怖に、何度か冷や汗をかいたけど、ギリギリ踏ん張れた。そして、ようやく大切なもののバランスを掴めてきた。

その頃から、少しずつ、心躍らない仕事は手放したり、距離を取ったりしていった。

そして、今はもう全くやっていない。

一度しかない人生。時間を忘れるほど熱中できる仕事を。

ユーモラスで誠実な仲間たちと挑戦していく仕事は楽しくて、時間を忘れる。
お金を支払ってもらうという意味では「クライアント」である人たちも、一緒に食事をしたり、旅行に行ったりする、今や公私を融合させた友人でもある。

今も時計を見る。

でも、出てくる言葉は今までとは少し違う。
「お、いつの間にかこんな時間」
時間を忘れるほど、熱中できる仕事をしよう。