僕は今、伊勢丹にいてブログを書いています。
今はブログを書く以外、何も出来ないからです。
詳しく説明します。

今日は花が仕事て出掛けており、珍しく一人で次女の樹似(2歳)の面倒をみることになりました。
二人で過ごすことはレアなので、「どこ行こうか?」とか「何を食べようか?」とか割と戸惑いますが、困った時の子供の味方【ボーネルンド】で十分に遊び、欲しがったピンクのミニカーも買って樹似はご機嫌。
今日は樹似に時間を費やそうと腹を括っていたので、普段なら時間の浪費に感じてしまうような言動、例えば、目的地とは全く無関係なエスカレーターに「乗う(乗る)!」と言われては乗せ、やはり目的地と全く関係のない百貨店のベビーカーに「乗う!(乗る)」と言われては乗せて、樹似の言う通りに付き合いました。もちろん樹似は終始ご機嫌。父としての務めを100%果たした気になりました。

で、日も暮れ始めたので、何か食べようとおもい、伊勢丹のレストラン街でISETAN DININGに行きました。なぜココかと言うと、通路がめちゃくちゃ広いのでベビーカーでもスイスイ行けるし、他の店に比べて子供がいても良しとされる柔らかい雰囲気が漂っているからです。
席へ案内していただき、座って一息ついた途端、何が気に食わなかったのか樹似が絶叫して泣き始めました。どうやらベビーカーを受付に預けたのが気に入らなかったみたい。
一度火がついた樹似の泣き声は、とどまる事を知りません。「ねぇねぇ。」とか「大丈夫だよ。」とか言っても聞こえてません。涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃなので、樹似の声が店内に響き渡る中、リュックからウェットティッシュを取ろうとすると、隣りの席の方と目が合いました。そして、こう仰いました。
「大丈夫よ。大丈夫。みんなそうして来たんだから。全然大丈夫。」
その言葉を聞いた時、不覚にも泣きそうになりました。

電車に乗ると時々、大声で泣いている赤ちゃんを抱っこしたお母さんがいます。混んでいる電車に気まずそうにベビーカーで入って来るお母さんがいます。店内で大声で泣いている子供に真剣に話しているお母さんがいます。
「まったくうるせーなー。ファミレス行けよ。」って思うかもしれませんし、「こんなに混んでる電車に乗って来んじゃねーよ。」と思うかもしれません。
けど、それは本人達が誰よりも分かってるんです。誰よりも気まずくて、申し訳なくて、もっと良い方法があったのかもしれない、電車に乗る時間をズラせなかっただろうか、もっと他のお店の方が良かっただろうか、そもそも何か買って来て家で食べるべきだったのだろうか、と思っているんです。

だから、「大丈夫よ。みんなそうして来たんだから全然大丈夫。」なんて素敵なおばさまに言われると、その大きな愛情に心から感動してしまうんです。

「あ、ありがとうございます。申し訳ないです。」と短く御礼を言うと、絶叫する樹似の目と鼻を拭き、一旦お店を出ました。抱っこしたり、歩いたりして、ようやく泣きやんだ樹似を再び連れて席を戻り、あんかけチャーハンです。
「何が食べたいか」ではありません。「何なら片手で食べれるか」です。
樹似は2分もしないうちに、再び絶叫し始めました。樹似を抱っこすると、クスンクスン言いながら、そのまま僕に寄り掛かって眠りました。
そうだよね。眠かったんだよね。
抱っこ紐を取ったり、ベビーカーにいれたりしたいけど、一ミリでも動くとまた絶叫して泣くのではと思うと、まるで動きが取れません。
右手が動く範囲でできる最大限は何かというと、携帯でブログを書くことくらいです。

そうゆうわけで僕は今、伊勢丹にいてブログを書いています。ブログを書くこと以外、何も出来ません。腰はもう爆発しそうです。
しかし、平和な時間が流れています。
あともう少しこの時間が続きますように。